非凡な人≠非凡な小説が書ける

ある人の曰く。 「自分がこれから人前でしようとするボケが、 面白いか面白くないか判断できないと、 お笑い芸人としては致命的なのに、 小説家がこれから人に読ませようとする小説が、 面白いか面白くないか判断できなくても、 「ゲージュツですから」 「ブ…

つまらない小説=つまらない書き手ではありません。

今日からちょっと合評会の話をします。 今回は、その下準備を。 前回まで岡田利規さんの小説の文体をいじくっていたのもそのためです。 前回僕はこう書きました。 僕らは別に岡田利規さんや平野啓一郎さんと、 直接会って深い話をしたでもないのに、 この二…

ためらいながらにフリータイム「3」

ちょっと、いまPCの前で、↓の体勢をしてみて下さい。 「わたしの体は、また仰向けに近い体勢に戻っていた。 右脚の膝を立てていて、外側のくるぶしを、左足の左脇の、 膝の皿の周りの窪みのあたりと今にも接しそうな位置に置いていた。」 (『私の場所の複…

ためらいながらにフリータイム「2」

「わたしたちはかつて、観客の一人から、あれは確か、なにかのレパートリーを上演した、その終演後に観客との質疑応答の機会がもうけられたときだったか、あるいは公演のときではなく、劇作家か演出家のどちらかが、なにか公演のイベントに出演したときにだ…

ためらいながらにフリータイム

という題名で今日は、 岡田利規さんがいま現在、 webちくまで連載中している小説、 『フリータイム』について書こう と思っていました。 (詳細はhttp://www.chikumashobo.co.jp/new_chikuma/をご覧下さい) フィリップ・トゥーサンというフランスの小説家の…

いつかソウルトレインに乗る日までにはそちらへ伺います。

1限必修3コマ確定です。 悲しくなったので、週休4日になるように講義を組むつもりです。 1日平均3.7コマという計画性のなさ。テストどうしよう。 おそらく休日のうち3日は生活費調達で潰えます。 さて。以下ちょっと、初見の方には意味の分からない…

たまにはこういう、ガチで日記っぽいのも

1.荻世いをらを「平成の国木田独歩」だなんて言っちゃうのは、 「私は『武蔵野』しか読んでおりませんけど何か? 『Beaf & Potato』って、jim jarmushの新作か何か?」 っていうアクロバットな告白なんでしょうか。。。 (『さようなら風景よ、サヨナラ』…

「文学」を展示して即売するわけです。

エシャロットっていう、若手のにんにくみたいなのの炒め物がおいしい。 卵としめじと一緒に。母製。(原料はたぶん中国製。) さて。 来週は『さようなら風景よ、サヨナラ』のことを書きます。 荻世いをらさんのを読んだのは、この小説が最初。 そこから遡っ…

「読書会」の周辺をぐるぐるする

昼過ぎに起きて「いいとも!」を見ながら、 半年ぶりに実物を目にした新聞のテレビ欄にやたらと多い 「(秘)うんたら」「(秘)なんたら」の数に驚いていました。 世界は神秘に満ち溢れているんだね。 さて。この間から青木淳悟さんの小説を褒め(れてない…

青木さん、淳悟さんスゴイよっ!「3」

(承前) 「ある程度人生に見通しを立てた複数の人間が東京都内に新たな住居を探し求めていた。」 という書き方は「ずれてる」と前回書きました。 そうして他の小説家の書き出しをいくつか並べて、 それらがどこか似ているところがある、と書きました。 つま…

きょうのできごと

タイトルは柴崎友香さんの小説から。 柴崎友香さんは風景描写が丁寧で親切な小説家さんです。 読みながら頭のなかで想像するとすごくリアルで楽しくて、 登場人物が数人でお喋りする場面を書かせたら、 そんじょそこらの映画なんかより鮮明な光景が造れる、…

青木さん、淳悟さんスゴイよっ!「2」

ひとまず、どこ出身、何年にデビュー、主な作品は[……]みたいな辞書的な情報は、 僕なんかよりwiki氏のほうがぜんぜん詳しいのでそっちを見て欲しいんですけど、 青木さんについて、いくつか書評・感想・批評を回った漁果を並べてみます。 「実験的」「前衛…

日記の書き方がぜんぜん分からなくてさ「2」

さて、列挙の理由をば。 といっても素朴なもので、 僕のブログとかより、いま挙げた方々の書いてることのほうが、 (今はまだ)ずっと面白いからです(他意はないです。) 百年ちょっと前とかだったら、 「露西亜にドストヱフスキーっていうすげぇ小説家がい…

日記の書き方がぜんぜん分からなくてさ

僕は文芸サークルにいることもあって小説を書いてるんですが、 をとこもすなる日記といふものをまだ一度もしたことがなくて、 今日、起きてからしばらく、参考になりそうなものを探していました。 休日なこともあって、なるべく早めに記事を貯めて、 とりあ…

青木さん、淳悟さんすごいよっ!「1」

青木淳悟さんというすっごい小説家がいます。 何がすっごいかと言うと、もちろん小説が抜群に面白いことなんですが、 でも青木さんの小説はぱっと見だと、どこが面白いのか、すっごく分かり難い! というか、ほんとうにのめり込むくらい面白い・楽しい・かっ…

早稲田文芸会について「2」

まず、早稲田文芸会、ちぢめて「わせぶん」について書きます。 公式HPの紹介文を切り貼りして書きます。短めに書きます。 早稲田文芸会は、早稲田大学公認の文芸サークルです。 今から89年くらい前に設立された、少年文学会というサークルが前身です。 (…

早稲田文芸会について「1」

初めまして。早稲田文芸会'09年度幹事長の笠井です。今年の早稲田大学の入学試験、全学部の合格発表が終わりました。もろもろ終わったぜ!というみなさん、お疲れさまでした。 まだまだこれからだ!というみなさん、もうひと踏ん張りですね。 そろそろ大学生…